ビジネス英語ペラペラ?

ビジネス英語ペラペラ

gaikokugojoutatsu「外国語上達法」という古い本を、会社の語学屋社員からもらいました。千野栄一さんという、なんでも東京外大で名誉教授を努められた高名な言語学者の書だそうです。

岩波新書なんで難しそうな本だと思いきや、読んでみると、これがまたウィットに富んだ文章で面白い。そして面白いだけでなく、その外国語習得メソッドは非常に腑に落ちるものでした。

ハッキリ言って何の努力もなしに英語がペラペラになるような魔法の方法はないのですが、千野先生曰く。

「いささか名のあるヨーロッパのレストランで食事をすると、ウェイターが寄ってきて注文をとる。このウェイターは日本人とは英語で、ドイツ人とはドイツ語で、フランス人とはフランス語で応対する。ときにはイタリア語やスペイン語まで守備範囲に入っている人もいる。これを眺める日本人は、これらウェイター、しかもあまり年をとっていないウェイターのポリグロットぶりにびっくりする。
このとき、われわれは一つの魔術に陥っているのである。
(略)
すなわち、この人たちは英語でエリオットを読み、フランス語でサルトルを論じ、ドイツ語でトーマス・マンを楽しむという人たちではない。自分の職業に必要な最小限の知識を備えているにすぎない。これで十分なのであり、ここに語学上達の一つのヒントがある」
「外国語上達法」千野栄一著 岩波新書より引用

「これで十分」。たしかにその通りではないですか。

もう一度英語ビジネスPlus を修了した今、多分英語がぜんぜん話せない人から見たら、私はかなりビジネス英語をペラペラに話しているように見える…かもしれません。

が、もちろん実のところ、それは毎日使う決まったパターンの英語を使いまわしているからそう見えるだけ。じゃあオマエ、英語で人生観について語ってみろ…なんて言われたら、ハッキリ言って手も足も出ません。

でも、日々の仕事はつつがなく終えているのだから、「これで十分」。

 

たとえばサッカー日本代表の、本田圭佑選手の英語。

発音はコテコテのジャパニーズイングリッシュで、文法だって少々怪しいですが、それでも当時このチーム(オランダ・VVVフェンロー)で「カイザー(皇帝)」と称されるほどのチームの中心選手であり、外国人ながらキャプテンとしてチームをまとめ上げていたのです。

つまり、彼は通訳でも語学教師でもなくサッカー選手なのだから、「これで十分」。

私がビジネス英語を学ぶ目的は、当然ながら「英語で業務を行えるように」ですが、じゃあそのために必要な英語力はどの程度なのか。少なくとも英語圏でネイティブ相手に英語を使うわけではない私の場合、TOEICで800点とか900点とか、達人級のペラペラな能力ではありません。

もちろん英語力が高いに越したことはないですが、今の大したことない英語力でも仕事は無事に回っているし、回らない時にたよれる人員もいます。であれば、膨大な時間と労力とお金をビジネス英語力向上のために投資しても、リターンは少ないでしょう

そして恐らく、ビジネス英語を身につけたいと思うかなりの割合の人が、実は私と同じ状況なのでは?

翻訳家とか通訳とか、プロの英語屋を目指す人は天井知らずの努力を英語に対して投資する必要があるでしょうし、それが当然。

ですが、こっちは英語の専門職ではありません。限りある時間と労力と資力を投資するところを、間違ってはいけません。

教訓。『万人が英語の達人になる必要はない』。

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